サステナビリティ社員座談会

Sustainability

モビリティ×グリーン(脱炭素・資源循環)~脱炭素と循環の未来へ~
  • 森本 貴子
    森本 貴子

    EV&カーボンニュートラル戦略推進部 推進グループ

    兼 サステナビリティ推進部 推進グループ

  • 益塚 渉
    益塚 渉

    福岡支店営業第一部 第一グループ

    兼 EV&カーボンニュートラル戦略推進部 推進グループ

  • 西原 直子
    西原 直子

    グローバル営業第一部 第二グループ

  • 堀江 幸史
    堀江 幸史

    東日本サービス部 横浜カスタマーサポートセンター

担当業務と、業務で大切にしていることを教えてください。

森本 EV&カーボンニュートラル戦略推進部のグループマネージャーとして、営業支援や各種施策の立案を担当しています。また、EV試乗会「SMAS e-PARK」の運営サポートや、脱炭素関連のウェビナーへの登壇などにも携わっています。施策を考えるうえで大切にしているのは、営業担当にとって実現しやすく、現場で動かしやすい内容にすることです。加えて、ある拠点でうまくいった取り組みを他拠点にも横展開しやすい形に整えることも、常に意識しているポイントです。

益塚 福岡支店で通算13年間、法人営業を担当してきました。地域を代表する大手企業向けに車両リースを提案するなかで、近年はEVやカーボンニュートラルに関するご相談も着実に増えています。営業で最も大切にしていることは、お客さまのお話を丁寧に聞くことです。表に出ている要望だけを受け止めるのではなく、お客さまご自身もまだ十分に言語化できていない潜在的なニーズまで拾い上げ、本当に必要とされる提案につなげたいと考えています。森本さんと連携しながらご提案する機会も多くあります。

西原 グローバル営業第一部で、製薬業界向けのソリューション営業を担当しています。特に外資系企業では、本国主導でCO2削減方針や数値目標が定められていることが多く、それに伴い、日本でどのようにEV導入を実現するかをご提案する機会が増えています。同じ製薬業界の企業で同じような車両の使い方をする場合であっても、企業ごとに方針や重視する価値観は大きく異なります。だからこそ、お客さまのことを深く知り、個社ごとの事情や優先順位に合わせた提案を行うことを大切にしています。外資グループでは海外との打ち合わせも多く、国際色豊かな環境です。

堀江 東日本サービス部 横浜カスタマーサポートセンターで車両のメンテナンス管理を行っています。契約前から営業担当と連携し、メンテナンスの運用方法を一緒に検討することで、お客さまのお困りごとの解決に努めています。また、契約後にはお客さまに安心してクルマを使っていただくことが何より重要です。具体的には、メンテナンスをしっかり行い、業務に支障が出ないこと、そして安全に使い続けていただくことを重視しています。営業担当がこれまで築いてきたお客さまとの信頼関係を、契約後の運用面で損なうことのないようにすることも、私たちの大切な使命です。お客さまが困ったときに、安心して任せていただける存在であり続けることを強く意識しています。

EVに着目した背景と、提案に対するお客さまの反応を教えてください。

森本 ガソリン車の価値は、これまで「ヒトが乗る」「モノを運ぶ」といった機能に集約されていました。一方でEVは、移動や運搬の手段であることに加え、CO2排出量の低減による脱炭素への貢献、災害時の蓄電池としての活用、加速性能や静粛性による運転時の疲労感の軽減など、法人の事業を支える実務的な価値を持っています。単なる車両にとどまらず、法人に対してより広い価値をもたらすことができるところが、EVの面白さであり可能性だと感じています。

益塚 お客さまの反応は、企業によって本当に大きく異なります。私の担当地域では、すべての企業が最初からEVに高い関心を持っているわけではありません。ただ、CO2削減への機運が一気に高まった企業では状況が変わります。「脱炭素のためには何から始めればいいのか」とご相談を受け、そこから話が大きく前進することがあります。適切な提案を届けることの大切さを感じています。

西原 私は継続的にお客さまへEVの提案を行い、制度や車種、導入事例などの最新情報を随時アップデートしています。特に外資系の企業では、本国から明確な脱炭素方針や期限付きの数値目標が示されているため、「導入するかどうか」ではなく、「日本のインフラの中でどのように実現するか」が検討のポイントになります。お客さまが探しているのは、現実的な運用まで一緒に考えて伴走できるパートナー的な存在です。ガソリン車は価格で比較されやすい一方、EVは運用方法によって利便性もコストも大きく変えることができます。同じ走行距離だとしても、充電方法によってコストが跳ね上がることもありますから。SMASは、充電のモニタリングをしながらコストの抑え方や導入後の使い方まで踏み込んだコンサルティングを行っていますので、その点をご評価いただいているのだと思います。導入後のフォローまで一貫してできることは、私たちの大きな強みです。「EVと言えばSMAS」と自信を持って言えると感じています。

森本 SMASが業界に先駆けてEVに取り組み始めたのは、2009年のことでした。17年間の蓄積が強みを生んでいると思います。ただ、私たちだけの力でEVに強くなったのではなく、取引先や自治体との多様な関わり合いを経て、今の専門性につながっています。特に、EVを導入したお客さまから寄せられるさまざまなご要望に一つひとつお応えしてきたことは、大きな経験になりました。フロントに立つ営業担当が丁寧に課題を拾い上げ、解決策を考え続けてきたからこそ、今の立ち位置があるのだと思います。西原さんのお話を聞いて、当部で考える施策と営業現場での細やかなサポートの両輪がしっかりかみ合い、うまく回っていることを改めて実感しました。

導入の決め手になったのはどんな提案ですか。

西原 お客さまにとっては初めてのEV導入ですので、どうしても手探りの状態になってしまいます。その点、SMASはさまざまな経験があり、成功事例だけでなく失敗事例も知っています。起こりうる課題を包み隠すことなく事前にご案内し、導入後のつまずきを減らせることが、安心感につながっているのだと思います。一方で、「なぜEVを導入するのか」がお客さまの中で明確になっていないと、導入が進みにくいと感じます。お客さま側である程度の工数がかかるのは事実ですし、サステナビリティ部門、購買部門、現場利用者など、立場の違いで温度差が生まれやすいのもEVの特徴だと思います。その認識の差を埋めながら、実現に向けて進めていくことも、私たちの役割だと感じています。スムーズに進むのは、脱炭素への貢献といったEV導入の意義をトップが語り、それが現場に浸透している企業ですね。

森本 営業担当の皆さんをはじめ、全役職員を対象に、環境省認定制度である「脱炭素アドバイザー資格」の取得を推奨しています。2026年3月末時点で取得者は全国で250人にまで増加しています。益塚さんと西原さんも取得されていますね。「お客さまの脱炭素化を支援する」という視点を大切にして、単に車両を提供するだけでない、EVの価値をお客さまに伝えていきたいと考えています。また、2025年からグリーンフリート・マネジメントも大きく動き出しています。これは、お客さまの脱炭素化に伴走するコンサルティングサービスで、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、社有車におけるCO2削減目標設定から実行までを支援しています。実際に、SMASが伴走しながら脱炭素の仕組みづくりと実証を支援することで、新たな取引につながった事例も生まれています。益塚さんが担当したお客さまでしたね。

益塚 私が通算10年以上にわたり営業してきたお客さまの事例です。まさに「伴走する」という姿勢をご評価いただいたと感じています。当時、社用車の脱炭素を一人で担うことに負担を感じていた担当者に対し、グリーンフリート・マネジメントをご提案しました。他社がツールやシステムの提供に軸足を置く中で、当社はパートナーとして寄り添い、伴走しながらともに取り組む姿勢が、その決め手になったのだと思います。最終的なご決断に際してお客さまから届いた「私と一緒に汗をかいてくれますか」という一文のメールは非常に象徴的で、今でも強く印象に残っています。

お客さまがEVを導入した後は、どのようなことを心がけていますか。

西原 導入前後には利用者に向けて説明会を行い、EV特有の使い方を丁寧にお伝えするようにしています。とはいえ、実際の現場ではどうしてもガソリン車の感覚が残りがちです。たとえば、ガソリン車は給油中にエンジンを切りますが、EVは充電中もパワーオンにできます。ところが、ガソリン車と同じ感覚で電源を切って充電していた方から、「夏場は暑くて仕方がない」という声をいただいたことがありました。充電中の時間を活用して車内で仕事をしたい方も多いと思いますし、冷房をつけていただいて問題ありません。このように、ガソリン車と同じ使い方をして支障が生じることは一定数ありますので、やはり繰り返しご説明していく必要があります。また、製薬業界では営業の方の異動が多く、新たにEVを使う人が次々と出てきます。一度だけ説明会を開いて終わりでは不十分です。最初だけではなく、継続的にフォローし続けることが重要だと感じています。

益塚 お客さまの中には1台だけ試験導入をするケースもあるのですが、最初は珍しさもあって利用が集中します。ところが、時間がたつと逆に避けられてしまうケースが見られます。「せっかく入れたのに動かしもしない」という状況になりかねません。背景にあるのは、「充電が足りなくなって帰れなくなるのでは」といった利用者の不安です。この不安は、充電カードの用意や、どのタイミングで充電するかといったルール整備によって解決できます。充電カードで30分ほどの急速充電を行えば、ほぼフル充電に近い状態で帰ってこられますので。安心して使える運用をつくることが、導入後の定着には不可欠ですし、その仕組みづくりまで含めて支援することが重要だと感じています。

堀江 メンテナンス面では、EVだから特別に難しいという感覚はありません。ハイブリッド車が普及し始めた頃、整備の現場では「対応できるだろうか」という不安の声がありました。しかし、今ではハイブリッド車は当たり前の存在となっています。EVも同じように今後ますます身近な存在になっていくと考えています。私たちは整備工場に出向き、現場の不安を一つひとつ解消してきました。そうして、全国で対応可能な工場を増やしてきた結果、今は全国で対応できる体制が整っています。EVの導入には期待がある一方で、アフターサポートに不安を感じるお客さまも少なくありませんが、フォロー体制の整備を今後も徹底し、不安の軽減に努めていきたいと考えています。

どんな提案がお客さまの意思決定につながったと思いますか。

益塚 お客さまとのお打合せで脱炭素の話をさせていただくと、距離が一気に近くなると感じます。単に車両を入れ替える話ではなく、脱炭素という課題を一緒に解決していく話になるからです。同じ目線で同じ方向を向いて歩いていける感覚を持ちました。ですから、EVの商談は私にとって本当に良い経験になりましたし、グリーンフリート・マネジメントをもっと広めていきたいと思います。とはいえ、まだすべてのお客さまに関心を持っていただけるわけではありませんので、SMASとして経験をさらに積み重ね、より幅広い層に価値を伝えられるようにしたいと考えています。そして導入企業が増えれば、現場から寄せられる声も増えていきます。もっと使いたくなる仕組み、もっと使いやすい仕組みをつくっていけるのではないでしょうか。たとえば「あとどれくらい走れるのか」が簡単にわかる状態にするなど、さらに便利に使える環境を我々から提供できるといいと思います。将来的には自動運転のような最新技術が実用化されるときにも、先頭に立って挑戦できる存在でありたいと考えています。

西原 お客さまの中には、「EVを営業車にするのは難しい」という先入観がまだどうしてもあると思います。走行データや充電環境を事前に確認することで不安を解消し、一定の条件を満たせば営業車として十分に活用できます。実際、導入後に利用者から好評の声をいただくとうれしいですね。製薬業界の営業の方は車内で過ごす時間が長いのですが、「アイドリングやエアコンの音がうるさくない」「加速が良いので腰への負担が少ない」といったご感想をいただきます。「自身が環境に貢献できることに喜びを感じている」という意見もありました。今後は、わざわざ充電のための時間を取るのではなく、「何かのついでに充電できる」仕組みがもっと広がってほしいと思います。そうなれば、EVはより自然に日常へ浸透していくはずです。また、日本だけで完結するのではなく、世界の取り組みから学ぶ視点も欠かせません。海外の実践には、これからのヒントが数多くあると感じています。

今後に向けて、どのような展望を描いていますか。

堀江 契約後は長期間にわたるメンテナンス体制の構築が欠かせません。塵芥車や冷蔵冷凍車など、EVの普及が拡大するにつれ、整備やサポートのあり方も時代に合わせて進化させなければなりません。整備工場やディーラーの皆さまと一緒に試行錯誤を重ねるなかで、微力ながらEVの業界全体の成長を支えているという手応えも感じています。今後は整備体制そのものをさらに進化させると同時に、使用中の現車に接触する機会が多いサービス部門の強みを活かし、バッテリーのSOH(State of Health:健全度)などのデータ活用にも取り組む余地が大きいと考えています。バッテリーには、リチウムなど貴重な資源が含まれていますので、資源の活用という視点において重要です。今回の座談会を通じて、全員が同じ方向を向いていることを改めて確認できました。縦割りでは通用しない時代だからこそ、SMAS全体として何ができるかを考えながら今後も取り組みを進めていきます。

森本 現場では、利用者の生の声を受けながら、よりよい解決策を懸命に生み出しています。当部が考えたフレームも、現場に入ることで磨かれ、より実践的な形へとブラッシュアップされていくことを日々感じています。サステナビリティは今後、モビリティにおける普遍的なテーマになっていくでしょう。私たちがすでに着手している「リユースEV」も、サステナビリティに関わる取り組みの一つです。契約満了後のEVのバッテリーを二次利用・三次利用する仕組みで、資源としてのEVの価値を訴求していこうとしています。このように私たちはこれまでEVの専門性を磨いてきましたが、すべてのクルマをEVに置き換えることが正解だとは考えていません。いわゆるマルチパスウェイ戦略の考え方の通り、お客さまにとって最適なモビリティの組み合わせをお伝えすることが、モビリティのエキスパートとしてのSMASの使命です。スピード感を持って先んじて挑戦し、価値ある仕組みを一気通貫で生み出していきたいと思います。

 

※このインタビューは2026年5月に行いました