特集:サステナビリティ対談

Sustainability

[ 副社長 × サステナビリティ・アドバイザー ]

SMASのサステナビリティの現在地、
モビリティの未来を語る

(左)代表取締役副社長執行役員 本社部門長影山 善章

(右)NPO法人NELIS代表理事、大学院大学至善館教授、
SMASサステナビリティ・アドバイザー

ピーター・D・ピーダーセン

2024年度を振り返って

影山 当社は「サステナブルな社会に向けたモビリティプラットフォーマー」として、着実に歩みを進めています。業界に先駆けて2009年からEV化を推進してきましたが、今こそカーボンニュートラルの実現に向けて、お客さまへのEV導入支援を加速させていきたいと考えています。
まずは当社からEV化を実現しようと、2030年度までに社用車のEV比率を100%にする目標を掲げました。2024年度には56.3%まで到達し、社用車の半分以上が

ゼロエミッション車であるバッテリーEV(BEV)です。BEV導入を検討するお客さまには、私たち自身が知ったBEVの魅力や課題を包み隠さずお話しして、ご提案しています。当社はお客さまにリースやメンテナンスをご提供している車が100万台以上に上りますので、リース車のEV化によるカーボンニュートラルを推進したいと考えています。
また、お客さまによる重大事故をゼロにすることも、SMASの重要なミッションです。当社では安全運転講習を実施するほか、テレマティクスサービス「SMAS-Smart Connect」の提供を行っています。リース車両に搭載した車載器を通じ、ドライバーごとのヒヤリハットマップ分析や運転動画の自動配信機能を行うもので、カルテ活用による安全運転指導を含め、事故削減に貢献していく考えです。
社内におけるダイバーシティ推進では、2024年度、女性管理職比率が9%に届きました。取り組みが少し遅れていますが、目標年である2027年度までに目標に近づけていきます。社員の能力開発に関しては、グローバル経営強化のための英語研修などに力を入れています。2024年度は提携先であるフランスのArvalからフランス人の研修生1名を受け入れました。同社のサステナビリティやEV推進の取り組みを社内でお話しいただき、大いに刺激になりました。

ピーダーセン SMASは、ブランドアイデンティティの刷新に取り組まれており、非常におもしろいフェーズにあります。評価したいのは、うわべだけのサステナビリティではなく、本質的な取り組みを進めている点です。世界を見渡せばEVは若干の減速傾向が見られますが、SMASは一歩ずつ着実に進めており素晴らしいと思います。EV化推進はインフラ整備がカギを握ることから、地方自治体に対する多面的な働きかけが不可欠ですが、SMASでは積極的に取り組んでいる様子がうかがえます。
一方、モビリティサービスを支える組織文化や人財育成の取り組みは、これから一層重要になるでしょう。多様な視点を取り入れて競争力をつけなければ、グローバルでの事業展開は難しいからです。女性管理職比率のさらなる向上に期待しています。

影山 これまでピーダーセンさんと継続的にお話しするなかで、海外の自動車リース会社がサステナビリティをビジネスの中心に置いていると聞きました。実際、サステナビリティ評価機関による評価が高く、我々もそこから刺激を受けて、社内体制の強化につなげています。自治体への働きかけも積極的に進めており、これまで民間の立場からさまざまな働きかけをしてきました。なかでも、スピーディーな意思決定をしやすい人口30万人以下の自治体にはほとんどアプローチしており、ある自治体がEV導入を決めると他の自治体にも波及するという良い流れが生まれています。引き続き自治体支援を通じてEV導入を加速させていきたいと考えています。

変化するモビリティとこれからのトレンド

影山 自治体への働きかけと併せて、民間企業同士の連携も、今後ますます重要になるととらえています。地政学リスクなどを背景にエネルギー政策や自動車関連規制の不確実性が高まるなど、外部環境が変化するなか、当社単独で変化を起こすのは困難だからです。充電設備を開発・販売する企業など、志を同じくする企業に出資し、EV化推進のパートナーとして取り組んでいきたいと考えています。今後確実に普及するであろう自動運転についても同様で、これからのモビリティをともに変革するパートナー探しに力を入れていきます。
今後、「MaaS」や「CASE」はさらに進展していくため、SMASはオートリースという枠にとらわれない新たな価値の提供が欠かせなくなっていくでしょう。またサーキュラーエコノミーへの対応も必須です。当社は、「持続可能な調達」と「お客さまの持続可能な利用に向けたサポート」に重点を置くとともに、電池や部品を国内で再利用する仕組みづくりを始めています。サステナブルな世界を目指すプラットフォーマーとして、自動車を基軸にした循環型のシステムづくりに挑戦していきます。

ピーダーセン 私自身もカーリースを利用していますが、非常に使いやすいですね。日本の自動車市場は人口減少を背景に縮小を続け、すでに飽和状態にあります。ゼロサムゲームになっているそのパイを、車の「所有」から「利用」に移行させ、リースによるシェアエコノミーをスタンダードにしていく。サステナビリティの観点から重要なことだと思いますし、SMASにはこの流れをリードしてもらいたいと思います。
SMASでは、海外展開に対する社内のマインドセットがこの1~2年でシフトしつつあるのではないでしょうか。海外市場においてはサステナビリティが不可欠です。事業成長を続けられるパターンを見つけようとトライしているので、非常に楽しみです。

影山 まさにご指摘いただいた通りです。サステナビリティ推進のためにやるべきことを掴むため、世の中の動きをしっかりととらえていきたいと思います。

サステナブルなモビリティプラットフォーマーとして

影山 社会が大きく変化する今、SMASのビジネスチャンスは無限に広がっています。日本は欧米に比べるとサステナビリティに遅れがありますので、当社にできることがまだ多く残されています。企業の皆さんがBEV導入をはじめとするサステナビリティ推進に取り組めるよう、一緒にアクションを起こしていける場を作ろうと検討しているところです。
また、労働力不足も日本の社会課題であり、自動運転技術などへの期待が高まっています。我々としてはビジネスの機会と言えますので、積極的に取り入れていきたいと考えています。「サステナビリティといえばSMAS」と言ってもらえるくらいに、発信を強化していきたいですね。

ピーダーセン 海外に目を向ければ、アジアを含むグローバルサウスには、モビリティサービスがまだ行き届いていない地域もあります。メガシティ化するそれらの都市では車の台数が増えすぎる課題がありますので、サステナブルなソリューションを提案し差別化できれば、新たな市場が広がります。「次の世界」だけでなく「次の次の世界」を見据えた経営に期待しています。

影山 おっしゃるとおり、車の台数増加は世界規模の課題です。SMASは「Mobility Passport」というアプリを活用して、お客さまの車両台数を最適化する取り組みをしています。台数を縮小できた分の予算で、充電設備やBEVの導入を検討いただく例もありました。CO2排出の削減のため、あらゆる形で働きかけています。

ピーダーセン 一方で、サステナビリティを掲げるモビリティプラットフォーマーは、世界で増加しており、競争が激しい分野です。SMASはグローバル戦略の一環として、世界の競合の中でどのポジションに可能性を見出すか探っていくべきです。少なくとも日本においては、経済的、効率的かつ環境負荷が少ないプラットフォーマーとして、ポールポジションを取れる位置にいると思います。さらに歩みを進めるために、カルチャーの変革にも取り組み、さまざまな意見が述べられる認知的多様性がある組織、そして意見を聞いてもらえる心理的安全性がある組織を目指してほしいと思います。

影山 ありがとうございます。さらなる成長に向け、これからも邁進していきたいと思います。

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