Project Story #01
Mobility Passport
多様化する移動手段で、スムーズな移動体験を

クルマを取り巻く環境が変わり、ビジネスで利用される移動手段も多様化している。社用車、レンタカー、公共交通機関など、移動手段の手配や管理がバラバラでは、業務効率化の妨げになる。SMAS(住友三井オートサービス)は、カーリースを主体に、広くモビリティサービスを提供する企業である。
なかでも、「Mobility Passport(モビリティ・パスポート)」は、ビジネス上の移動手段に関わる管理業務のDXを強力に推進するアプリとして開発された。その立ち上げから携わった開発メンバーと、お客さまの現場で導入支援を行うメンバーが語る、Mobility Passport開発ストーリー。
プロジェクトメンバー
モビリティソリューション開発部
K・Y
2017年新卒入社
モビリティソリューション推進部
K・T
2009年新卒入社
プロジェクト
社用車管理などビジネス上の移動に関わる管理業務ならびに、アルコールチェックなど法令順守のための行動記録や運転日報、運転免許証の管理など煩雑な管理業務を一元化。多様化するモビリティに対応し、管理者とドライバーを支援する、ビジネスMaaS(Mobility as a Service)アプリの開発と運用。
ミッション
ビジネス上の移動・運転に関わる管理業務のDX化により、経営課題を解決する。

開発に至った背景
多様化するモビリティ管理
車両関連コストの最適化を目指して開発がスタート
ビジネスにおける移動手段が、多様化している。社用車だけではなく、効率を考えて公共交通機関やレンタカーを組み合わせるなど、トレンドは流動的で、多様化するモビリティの管理業務は煩雑になる一方だ。社用の移動手段に関わるすべての管理を一元化できるサービスへのニーズが高まるなか、SMASが2年の開発期間を経てリリースしたのが、「Mobility Passport」である。
Mobility Passportは、クルマの手配からアルコールチェックまで、社員の移動に関わるあらゆる管理業務を一つのアプリで完結することができる。また、アプリを通じて社用車の利用状況を可視化することで、社用車の適正台数を割り出すなど、車両関連コストの最適化にも寄与する。

開発にあたっての課題
悩ましい標準ラインの設定
Mobility Passportはお客さまの声や法改正にあわせて、常にアップデートされている。多種多様な企業が採用するアプリのため、追加機能ひとつとっても、開発の標準ラインをどこに置くか、どこまでをデフォルト機能とするかを決めることは一筋縄ではいかない。スピーディな対応が求められるなか、社内でさまざまな角度から議論を重ね、モックアップでの検証プロセスを経て、機能開発・実装に至る。
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K・Y
- 開発時には、デモ用モックアップで直接お客さまの声を伺い、ご満足いただけるように意識しています。お客さまからの評価は励みとなり、ご意見やご指摘は機能改善のヒントになります。機能開発でも、お客さまとの間をつなぐカスタマーサクセスとの関係は重要です。

導入支援を進めるうえでの課題
正しい運用へとお客さまを導き、安全を守る
伴走型支援における業務の難しさは、お客さまの法解釈の違いから生まれる、誤った運用方法の是正である。利用の定着を重要視しながら、正しい法解釈、正しい運用へとお客さまを導く役割を担うのも、カスタマーサクセスの大切な業務だ。
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K・T
- アルコールチェック機能は、法律で記録が必要と定められた項目を、すべて網羅しています。お客さまによっては入力項目が多いなどの声をいただくこともありますが、正しい記録を残さなければ意味がありません。お客さまに寄り添いながら、厳しいことも伝えなければならない。その難しさにたじろぐこともしばしばです。「こうだったらいいのに」「もっと簡素化してほしい」という声には、理由を丁寧に説明して理解していただきます。お客さまの安全を守るためにも、伴走型支援の存在は大きいと考えています。

リリース後・導入後の反響
2,400社が採用
「もう、紙の運用には戻れない」
働き方の多様化にあわせて、社用での人の移動手段も多様化した。Mobility Passportは、カーリース契約をされていないお客さまにも導入いただき、管理業務の効率化やDXを強力に推進するツールとして喜ばれている。さらに、2022年4月の道路交通法改正に伴い、安全運転管理者によるドライバーの運転前後のアルコールチェックが義務付けられたことから、Mobility Passportを導入する企業が急増。2024年4月末時点で、2,400社もの企業に導入されている。
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K・Y
- SMASにとって、Mobility Passportに代表されるモビリティサービスは、主力のカーリース事業とは別の、もう一つの事業の柱として育ちつつあります。
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K・T
- ドライバー側も管理する側も、業務効率が劇的に向上し、「もう、紙の運用には戻れない」という声をたくさんいただいています。一元管理とデータの蓄積で社員の移動手段が可視化され、社内の状況を数値で明確化できた、と喜ばれたケースもあります。社用車の稼働率が明確になり、台数を見直してコスト削減を実現した企業も少なくありません。「今までなかなか手を付けられなかった課題が解決した」との声をいただけると、とてもうれしいです。

今後の展望
入力データを活用し、経営課題解決に資するサービスを提供
社用での移動・運転に関する業務の効率化やコスト削減を実現するため、現在対応している社用車、レンタカー、カーシェアに加え、電車やタクシーなどを含むさまざまな交通手段の一元管理を目指している。また、社用車の月別の稼働実績(稼働率・稼働日数・利用時間等)の可視化から、データ分析による車両台数最適化をさらに進化させ、お客さまの経営課題解決に資するサービスを提供していく。
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K・Y
- 社用車の稼働率の可視化や分析は、場合によっては減車提案になる場合があります。リース会社としては若干の戸惑いもありましたが、お客さまにとって真にお役に立てるサービスを提供し、信頼関係を構築することが重要と考え、車両台数最適化をメニューの一つとして提供しています。
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K・T
- コスト削減を可能にするアプローチは、お客さまにお勧めしやすいです。車両台数最適化サービスは、営業的にもSMASの強みになっています。

学生さんへのメッセージ
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K・T
- SMASは、カーリース事業で培った社用車特有の知見があります。業種別、事業者別の利用方法や走行パターン、ドライバーの特性など、お客さまのクルマの使い方を熟知しています。Mobility Passportも、豊富な知見が随所に生かされています。社用車に関するお困りごとに、一気通貫でソリューションを提案できるのが、SMASの強みです。
そして、この会社には若手が挑戦できる風土があります。飛び込んでみたら、自分では開けなかっただろう扉が開かれる会社だと思います。 -
K・Y
- 人を育てる、面倒を見ることが当たり前の社風です。成長に挑戦は欠かせませんよね。挑戦したことがたとえ失敗しても、みんなでカバーするのは当然。失敗を失敗に終わらせないよう、周囲が見守ってくれているので、思い切ってチャレンジできます。そして、自分がしてもらったことは、自然に次世代につなげます。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています。
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K・Y
K・T