サステナブルな社会を実現するために、私たちがやるべきこと

クルマを扱う企業としての責任と使命

住友三井オートサービスは、サステナブルな社会、カーボンニュートラルを実現するために、EV導入の推進をはじめ、さまざまな取り組みを実施しています。
そのけん引役である「EV&カーボンニュートラル戦略推進部」「サステナビリティ推進部」の責任者による対談を行い、私たちの役割、責任について語り合いました。

サステナブルな社会を実現するために、私たちがやるべきこと

EV&カーボンニュートラル戦略推進部長 中村 憲治(右)
サステナビリティ推進部長 原 昌伸

原:昨今、さまざまな企業が「サステナブルな社会を目指す」ための取り組みをしています。当社はクルマを扱う企業として、特に気候変動への対応は必須です。
私たちを取り巻く環境が厳しくなる中、電気自動車(以下、EV)は走行時のCO2排出量がゼロということもあり、カーボンニュートラルに向けた取り組みとしてグローバルで加速しています。一方、製造コストと脱炭素技術のイノベーションの両立はメーカー側で積極的に推進していますが、導入に向けた充電インフラの整備、導入コストの抑制などの課題も山積みです。
そういった中で、当社がEVに着目をした経緯などをお話しください。

中村:当社は、EVへの取り組みをかなり早くからスタートしました。2009年には、日本で初めてとなる50台という大量のEVを大手製薬会社向けに納入するというプロジェクトに取り組み、業界に先駆け、EV担当部署(EV事業推進室)を設置しました。実は、私が初代室長でした。当時を振り返ると、何から手をつけていいのか...そんなスタートでした。
EVを50台納入するためには、解決すべき課題は多く、自動車ディーラーのみならず、自動車メーカー、充電設備会社、駐車場会社、不動産会社、関係省庁、自治体、それと実際に運転いただく利用者との対話など、幅広い連携が必要でした。この経験が、EV導入には従来のサービススコープに留まらず、幅広いサポートが期待されるとの考えに至り、現在の「EVワンストップサービス」というコンセプトにつながっています。
まだお客さまの大半は、試験的に数台を導入するフェーズにいます。実際にEV導入の検討および必要な手続きを経験し、多くの社員に乗っていただいて、知見を積み上げ、本格導入に備えている状況です。
一方、1,000台規模で導入に踏み切っているお客さまも登場してきています。本格導入されるお客さまには、担当営業部店に加え、当部も直接対応し、お客さまの新たなご要望に対するサポート、潜在ニーズの発掘に努めています。

原:すでに導入しているお客さまの反応や、当社としてどんな対応をしているのかなどお聞かせいただけますか?

中村:数台の試験的な導入では、EVならではの静粛性と加速性能についてはもちろん好評なものの、航続距離、充電環境への不安もあり、やや慎重に使用しすぎる傾向があり、ポテンシャルを十分に発揮できていないと感じるケースもあります。

昨年からは三菱自動車工業様と一緒に、軽商用EVを活用した実証実験を始めました。お客さまに実際にご利用いただき、データ収集や、車種仕様への要望、運用面での改善点、および運転される方々の心理面の変化について直接お聞きし、分析しています。
お客さまからの声を通じて、わかったことは、最初は恐る恐る利用していたお客さまも、次第に慣れて、最後は使っていく上での改善点まで助言してくれるなど、お客さまの声を通じて、その気持ちの変化が感じ取れました。
お客さまに対しては、EV導入計画、費用対効果の支援はもちろん有効ですが、それ以上に重要なのは、リアルな情報をお伝えすることだと思います。我々が情報収集のみに留まらず、自ら経験、体感し、それらを評価し、お客さまへ共有する。そういったお客さまへのサポートが最も重要であり、お客さまとの信頼関係につながると感じています。
EV試乗機会の提供、あるいは充電インフラなど、社会で多くの企業が新たなEV関連の取り組みを展開していますので、我々自身がこれらに直接接することが重要です。
リアルな情報をお届けし、かつお客さまにも直接触れていただくための場を提供することが有効であり、それは当社の重要な使命です。

サステナビリティ推進部 原 昌伸

サステナビリティ推進部
原 昌伸

EV&カーボンニュートラル戦略推進部 中村 憲治

EV&カーボンニュートラル戦略推進部
中村 憲治

今の取り組みがカーボンニュートラル実現への試金石に

原:カーボンニュートラルの実現に向けて、私たちはEVを積極的に進めていく、そのためにはお客さまの理解と賛同が必要不可欠だと思います。EVはまだ新しい分野であるため、インフラなどの課題に加え、お客さまの心理的なハードルも少なくない。多くのお客さまに導入の実態を知ってもらい、ご理解いただくために、私たちは、事例紹介、体験運転などに力を入れ、導入する前の不安を取り払うための努力が重要なのですね。
では、今後、EV導入に向けての具体的な活動をお聞かせいただけますか?

中村:3つのテーマに注力して取り組んでいます。
①当社が最も大事にしているお客さまとの接点を、一層感度を高めて見つめ直し、さらなる気づきを模索していきたいと考えています。具体的には、できるだけ多くのお客さまにEV導入の一歩を踏み出すようにお声がけし、少数台数であっても、実際にEV導入および利用いただき、そしてしっかり伴走させていただく。その過程において、お客さまからのご要望に留まらず、お客さまと一緒に、潜在課題および解決策を発掘していきたいと考えています。
②EV本格普及を見据えて、先んじてEV利用を支える事業基盤構築に取り組んでまいります。サービスネットワークの整備、モビリティの提供方法の多様化、社会が求めるサーキュラーエコノミーを実現するための循環型モデルも検討してまいります。
③EVならではの新たな提供価値開発・事業開発にも力を入れます。積極的に新たな価値創出に向けてチャレンジしているスタートアップ企業、あるいは大手企業の新規事業開発チーム、また、住友商事グループ、三井住友フィナンシャルグループとの連携を一層活用して、新たな価値開発に取り組んでまいります。

原:そうですね、特に②サーキュラーエコノミーの観点は非常に注目を浴びているところです。
その点で当社が寄与できることは大きく、まずは商品レベルでとことん使い倒し、そして部品レベルでもとことん使い倒す、それ以上使えなくなったら、リサイクルするということで商品と部品の使用寿命を最大限に延ばせるような取り組みも、カーボンニュートラルに向けた活動になるものと期待しています。

中村:数年後に今を振り返ると、非常に重要なエポックメイキングな日々であったと思えるような気がします。住友三井オートサービスグループ一丸となって、社会の期待を上回るようなチャレンジを展開してまいります。

このインタビューは、20238月に行いました