1か月間のボランティアリレー 能登半島地震被災地支援の取り組み
当社は、2024年1月に発災した能登半島地震への対応として、被災地への義援金や災害支援ファンドの創設、EVや軽トラックの寄贈などを通じ、金銭的・物質的な支援を実施してまいりました。一方、震災の発生から半年が経過してもなお、被災地では多くの支援を必要とする状況が続いていたことを受け、認定NPO法人:ピースウィンズ・ジャパン(以下PWJ)ご協力のもと、石川県珠洲市でのボランティア活動を実施しました。
きっかけは「恩返しがしたい」強い思い
小学生の頃、夏休みの体験学習で2週間ほど能登半島の輪島で過ごしたことがあります。まだ幼かった私でしたが、行く先々で現地の方が本当に親切にしてくださいました。大自然に囲まれながら、夜の海辺で波の音とともに天の川を見上げた空の景色は、今でも忘れられない特別な思い出です。
今回の地震報道を見たとき、当時のことを思い出したら居ても立っても居られず、何か少しでも恩返しがしたいと、発災から3ヵ月が経過したころではありましたが、個人で災害ボランティアに参加しました。実際に足を運んでみると、その地理的な特徴や人手不足など、さまざまな状況から復旧・復興に遅れが出ている現状を目の当たりにしました。「個人でできることには限界がある。会社の力を借りて、何か大きな取り組みができないか…!」そんな強い思いを抱いたタイミングと異動先の部署の環境が重なり、上司と相談しながらボランティアを企画することにしました。
サステナビリティ推進部 村田綾子
バトンをつないだ1か月
今回のボランティアには大きく3つの特徴があります。
1つ目は、ボランティア期間とその運営方法です。7月の1か月間、SMAS社員を交代で途切れなく、少数のチームで派遣したことにあります。
背景には、週末など限られた期間でPWJと共に取り組める活動に限界があること、またすべての参加者に都度、被災地の状況や作業内容、安全管理の説明を行っていただくのが難しい状況にありました。そのため、社員同士で引き継ぎを行い、継続的に人員を派遣する仕組みを作れたことで、これらの課題をクリアし、受け入れが実現しました。
社内で参加者を募ったところ、石川県にゆかりのある人や、被災地支援に興味があるものの中々踏み出せずにいた人、色々なボランティア活動に参加したことのあるベテランなど、多種多様な社員が集まり、延べ117名の人員を派遣することができました。
2つ目の特徴は、仮設住宅入居者への援助物資の提供や、周知活動など、人道的な支援をしたことです。
一般的に「災害ボランティア」という言葉に想像される活動は、がれきの運び出しや運搬といった、いわゆる“力仕事”であることが多いですが、今回はPWJのスタッフの方が平素行っている、高齢者とのコミュニケーションを伴った活動や、普段オフィスワークをしている私たちの強みを生かした、スタッフの円滑な業務を支えるための事務支援など、福祉的な要素のあるボランティア活動を行いました。
【現地での主な活動内容】
- お茶会の準備~運営
- 仮設住宅入居者への家電配付および周知
- 仮設住宅地・在宅避難者のご自宅の訪問同行
- 能登復興祭などイベントの準備~運営
- 草むしり・草刈り、庭木の剪定・車両のメンテナンス
3つ目の特徴は、PWJの現地・本部スタッフ、SMASの現地参加者、そして本社にいる事務局の3者間で、SNSを利用したリアルタイムの情報共有ができるようにしたことです。
さらに、SMAS社内でもグループチャットを開設し、後任への引継ぎ事項や、活動内容、感想や気づきの伝えあいなど、様々な情報をやり取りすることで、1か月間スムーズな支援活動を実施することができました。
ボランティア活動を終えて、参加した社員からは、
「物資の支援にあわせて、心に寄り添う支援の必要さを感じた」
「(親子向けイベントを手伝って)子供たちの笑い声を耳にすると、参加する意義があったと思う」
「被災者であるご自身が大変な状況にも関わらず、ボランティアで来た自分達に対して本当に優しく笑顔で接してくださったのが印象的だった」
「誰かのためにできることを当たり前のように行っている方たちがいて、自分の非力さも感じながら、現地でしか味わえないことをたくさん感じて学ぶことができた」
との声が聞かれました。
また、現地でボランティア社員と共に過ごしてくださったPWJのスタッフの方からは、
「どんなことでも前向きに、積極的に取り組んでいただけたことが本当にありがたかった」
「短い期間でしたが、能登の現状を目で見て持ち帰っていただくことは重要だと、こちらも再認識しました」
とのお言葉を頂きました。
震災の状況を伝える報道が減っているなか、一人ひとりが現地に赴き、実際に被災した方々と話をし、自分の目で見たりすることで、多くの気づきや学びを得ることができた今回のボランティア。
参加した社員だけでなくすべてのSMAS社員に、能登の現状を知ってもらうこと、また、ボランティア活動について知ってもらうことで、当社のマテリアリティのひとつである「地域社会との共生」について考えるきっかけとなれるよう、社内のSNSを通じた情報発信を行いました。
社内SNSの投稿例
サステナブルな社会の実現を目指すSMASは今後も、事業活動や社会貢献活動を通じ、地域社会への発展と活性化に寄与し続けることを目指してまいります。
PWJの現地スタッフの方々とSMASボランティア社員
関連リンク
ご支援いただいたPWJの皆さま、誠にありがとうございました。