top > オートリース(法人のお客様) > 「新リース会計基準」の公表と「リース税制」の改訂

「新リース会計基準」の公表と「リース税制」の改訂

企業会計基準委員会は平成19年3月30日、企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」及び
企業会計基準適用指針第16号「リース取引に関する会計基準の適用指針」を公表しました。
また、平成19年度税制改正においてリース取引の税務上の取扱いが改正され、法人税法、法人税法施行令などに、
リース取引(ファイナンス・リース取引)が行われた場合に売買があったものとして所得金額を計算するなどの規定が盛り込まれました。

リース会計基準

リース会計基準の主な変更点

「所有権移転外ファイナンス・リース取引」の会計処理について、「賃貸借処理に準じた会計処理」(賃貸借処理)を廃止し、
「売買処理に準じた会計処理」(売買処理)に一本化されました。

リース取引の分類

【ファイナンス・リース取引】

中途解約不能(解約が可能であっても解約時に規定損害金を支払わなければならないなど、事実上解約不能と認められるリースを含む)であること、
かつフルペイアウトとなるリース取引を言います。 以下の1または2のいずれかに該当するリース取引は、ファイナンス・リース取引と判定されます。

  • 1 リース料総額の現在価値が見積現金購入価格の概ね90%以上となる取引
    ※自動車リースの場合、リース料に維持管理費用(公租公課、保険料、メンテナンス費用)が占める割合が大きい為、
    リース料総額から維持管理費用を差し引いて判定するのが一般的になります。
  • 2 解約不能リース期間が経済的耐用年数の概ね75%以上となる取引
    ※自動車においては、中古車市場が発展しており、法定耐用年数と比較すると、経済的耐用年数は非常に長いため、大半は75%未満になると考えられます。

【オペレーティング・リース取引】

ファイナンス・リース以外の取引

「所有権移転ファイナンス・リース取引」と「所有権移転外ファイナンス・リース取引」

次の1から3のいずれかに該当する場合の取引は、「所有権移転ファイナンス・リース取引」となり、
それ以外のリース取引は「所有権移転外ファイナンス・リース取引」になります。

  • 1 所有権移転条項付きのリース取引(リース契約上、リース物件の所有権が、借手側に移転する取引)
  • 2 割安購入選択権付きリース取引(リース契約上、借手側が名目的価値又は、著しく有利な価額で購入する権利が付されているリース取引)
  • 3 特別仕様物件のリース取引(リース満了後の物件返還後、第三者への転売などが困難であるリース取引)

リース取引の会計処理

【ファイナンス・リース取引】

借手側は、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行います。
リース物件とこれに係る債務をリース資産及びリース債務として計上することになります。

<所有権移転ファイナンス・リース取引>(図:売買処理1)

リース資産は、借手側の自己所有固定資産と同様の減価償却をすることになります。
但し、個々のリース資産に重要性が乏しいと認められる場合は、
オペレーティング・リース取引の会計処理に準じて、賃貸借処理を行うことができます。

<所有権移転外ファイナンス・リース取引>(図:売買処理2)

借手側のリース資産は、リース期間定額法などにより減価償却することになります。
但し、個々のリース資産に重要性が乏しいと認められる場合は、
オペレーティング・リース取引の会計処理に準じて、賃貸借処理を行うことができます。

重要性の判定(図:個々の重要性)

少額リース資産及び短期リース取引に関する簡便的な取扱い

ファイナンス・リース取引と判定される場合でも、次の1から3のいずれかに該当するリース取引については、
借手は賃貸借処理をすることができます。なお、所有権移転ファイナンス・リース取引においては、1を適用することはできません。

  • 1 事業内容に照らして重要性が乏しく、1契約のリース料総額(維持管理費用を除く)が300万円以下のリース取引。
  • 2 リース期間が1年以内のリース取引。
  • 3 自社で購入した場合に、購入時に費用処理するような、少額資産のリース取引。

適用時期

平成20年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度から適用されます。
但し、四半期財務諸表に関しては、平成21年4月以後に開始する連結会計年度及び事業年度から適用することとされています。

適用対象

下記の12の企業について、適用対象になります。

  • 1 金融商品取引法の適用を受ける会社並びにその子会社及び関連会社
    ※株式上場会社、社債CPなど有価証券発行会社、株主数500以上の会社
  • 2 会計監査人を設置する会社及びその子会社
    ※会社法上の大会社(資本金が5億円以上、もしくは負債総額が200億円以上の株式会社)、及び任意に会計監査人を設置する会社

中小企業などへの適用について

前記12に該当しない会社については、平成20年度版「中小企業の会計に関する指針」
(日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所、企業会計基準委員会の4団体により公表)において、
リースの借手については所有権移転外ファイナンス・リース取引の会計処理について、賃貸借処理が認められています。

リース取引関連税制

リース関連税制について

税務上のリース取引(リース会計基準のファイナンス・リース取引と基本的に同じ)については、以下の通りとなります。

  • 1 リース取引は、売買取引とみなすこととなります。
  • 2 所有権移転外リース取引に係るリース資産の借手側の償却方法は、リース期間定額法となります。
  • 3 所有権移転リース取引に係るリース資産の借手側の償却方法は、自社所有資産の減価償却(定率法等)となります。
    なお、税務上の所有権移転リース取引は会計上の規定以外に、リース期間が耐用年数に比して相当短く、課税上弊害がある場合に該当します。
  • 4 リース取引の賃借人が賃借料として経理処理した場合においても、これを減価償却費として取り扱われ、損金算入が可能となっています。

適用時期

平成20年4月以後の契約締結分より適用されます。

自動車リースのメリットは変わりません。

特徴1:オペレーティング・リースになりやすい

自動車の場合、中古車市場が発達しているため、リース満了時にその時点の時価に近い残価を設定しています。
従いまして、ノンフルペイアウトとなり、オペレーティング・リース取引になりやすいといえます。

特徴2:1契約あたりの重要性の乏しい300万円以下になりやすい

自動車リースの場合、リース料に維持管理費用(公租公課、保険料、メンテナンス費用)が占める割合が大きい為、
リース料総額から維持管理費用を差し引いて判定します。
従いまして、1契約あたり300万円以下の重要性の乏しい取引の適用をうけることで賃貸借処理ができる取引になりやすいといえます。

特徴3:コストの把握が容易です

お客様が所有された場合の資産の減価償却は、平成19年度の税制改正によりトップヘビーな費用発生となり、
その後急激に低減するためコスト管理が複雑になりますが、リース資産の場合はリース期間で費用が均等に発生しますので、
コスト把握が容易になります。

  • 本内容は平成19年3月30日付け企業会計基準委員会の「リース取引に関する会計基準」
    「リース取引に関する会計基準の適用指針」を参照して作成しておりますが、表現などを平易な表現とし作成いたしました。
  • リース会計基準に関する会計、税務処理については、お客様のご担当の監査法人・顧問税理士などにご確認をお願いいたします。